黒夢『迷える百合達』
- 品番: TOCT-8305
- 発売日: 1994/3/9
黒夢のメジャーデビューアルバム。
歌詞カードに歌詞を補足する短い詩が添えられるスタイルはDIR EN GREYを筆頭に多くのV系バンドに模倣されました。
開化の響
★★
ピアノの音が印象的なインストゥルメンタル曲。
曲単体としては普通ですが、次曲『棘』との繋ぎがいいですね。
棘
★★★★
イントロからキメを多用するテンポのいいメロディアスな曲。
Bメロのあとのセリフによるカウントダウンやサビのブレイクアウトなど、このアルバム、引いては90年代V系を象徴するような楽曲です。
AメロはDIR EN GREYの『霧と繭(惨劇の夜)』に模倣されていますね。
for dear [album version]
★★★★
シングル版とあまり変化はありませんが、アルバム冒頭に惜しげもなく繰り出されるメジャーデビュー曲。
やはり『棘』からの繋ぎがいいですね。
masochist organ
★★★
おどろおどろしいベースから始まり、ジャズ調なのに不気味でダークと言う独特な楽曲。
中毒性のあるメロディーや最後の転調など、実験的で面白い曲です。
aimed blade at you
★★★
爽やかなシンセ音できらびやかさを出しているものの、明るさやポップさとはかけ離れた黒夢らしい曲。
アコースティック・ギターの使い方も上手いです。
ライブでは「貴方に向けた刃~」の部分で腕を突き出すパフォーマンスがかっこよかったですね。
百合の花束
★★★
重々しくダークなバラードですが、メロディーの良さと清春の低音ボーカルが光ります。
インディーズ時代に配布された希少CDからのリテイク曲。
寡黙をくれた君と苦悩に満ちた僕
★★★★
シャッフルビートのミディアムテンポ曲。
言いしれぬ不穏さが楽曲から漂っており、流暢な歌メロやラストの転調など細部も抜かりのない佳曲と言えます。
neo nude
★★★★
イントロのギターや淡々としたリズム隊の演奏が冷たさや無常さを感じさせる、V系の王道スタイル的な曲。
非常に独特で癖のあるサビのメロディーは清春ならでは。
このアルバム中ではあまり使用されないシャウトも使われています。
autism -自閉症-
★★★
打ち込み音の使用など、後期の楽曲に通じる部分のあるハードロックナンバー。
掛け合いを意識したメロディーなどもV系と言うよりもロック風味を強く感じさせますね。
『自閉症』と言う表現が悪かったのか、再発盤では規制されて未収録になっています。
romancia
★★★
ベースラインや太鼓のようなドラムがどことなく異国情緒を感じさせるミドルテンポ曲。
淡々とした楽曲でメロディーも良くはないのですが、不思議と楽曲としては悪くないです。
utopia
★★★
変則的なリズムを刻むアップテンポな曲。
ダンサブルと言ってもいいような楽曲ですが、初期黒夢ならではの退廃的な雰囲気をまとっています。
メロディアスなギターソロも聴けますが、ベースの主張も強い。
開化の響 [reprise]
★★
1曲目とほぼ同じインストゥルメンタル曲。
必要かと言われると少々疑問が。
総評
★★★★
メジャー1stにして捨て曲もなく、安定した完成度のアルバムです。
独特の空気感を持つスルメ曲が多く、聴き込むほどに味わいが出てきます。
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