S『昆虫採集』
- 品番: SLR-002
- 発売日: 1999/9/29
元祖特攻服バンドSの1stCD。
活動開始時期から露出が多く、La’Muleも所属していたレーベル『Soleil』の当時の勢力の大きさが伺い知れます。
蛾
★★★
出だしから死ぬほどプロダクションが悪くて度肝を抜かれます。
ボーカルのDAIも鼻づまりのような歌い方で滑舌も悪く、正直ヘタクソですが、なぜか中毒性のある曲。
「バンド経験浅いけどがんばって曲を作りました」みたいな感じが新鮮なのかも知れない。
メロディーセンスは中々良いですが、ところどころ手抜き感のある歌メロが混じっているのも微笑ましい。
V系らしくセリフの被せ方だけは異常に洗練されています。
「フューライ フューライ フューライ ダラーイラ」は呪文っぽい造語だと当時のインタビューで答えていました。
手塚治虫のブッダに出てきそうな語感です。
鮮燃蝶
★★★★
アルペジオ、多用されるキメ、ブレイクなどなど90年代V系っぽさの凝縮された曲。
ROUAGEっぽい開放感のあるサビやギターソロは中々聴き応えがあります。
やはり荒削りではありますが、このアルバムに関して言えば、荒削りであることはプラスに作用していると思います。
夜光虫
★★★
1分半近いイントロから始まるバラード。
アルペジオの多用やサビのギターなど、こちらも90年代V系らしさに溢れています。
ヘタクソながらギターソロのフレーズはなかなか。
全体的に単調なメロディーもなぜか飽きません。
xxx,S
★★★★★
この曲でインディーズバンドを紹介するテレビ番組への出演も果たした初期の代表曲。
アルバムの中でも飛び抜けた完成度を持つキラーチューンですね。
要所にLUNASEAの影響を感じさせる疾走曲で、イントロからアウトロ、メロディーに至るまで全てが聴きどころと言えるでしょう。
総評
★★★★
演奏もボーカルも未熟ですが、「こう言う楽曲をやりたい」と言う一貫性を強く感じるアルバムです。
メロディーと作曲センスは優れているので、90年代V系が好きな人にはオススメ出来ます。
流通量が多かったのか、一時期はどこのブックオフに行っても見かけるようなイメージがありました。
昆虫採集と言うタイトルのアルバムが溢れかえっているのは中々シュールですが、中古CDショップを巡って昆虫採集を採集するのも楽しいかも知れません。
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